和製R&Bについて、GS時代を中心に

和製R&Bに対する近田春夫先生の考察を中心検証してゆきましょう。予めお断りしておきますが、ここで言及することのほとんどは近田春夫さんの受け売りです。和製R&Bを考えたときどこまで振り返ったら良いのか、それはどうも60年代初頭の福田一郎氏(彼の存在はまた別の機会に特集しなければいけないでしょう、私の世代だとTVジョッキーへの出演が印象的な偉大な音楽評論家)の番組での紹介が日本におけるR&Bの先駆であったようです。日本人が本格的にR&Bを意識し始めたのが福田一郎氏以降である定義出来ます。

  • ジェニ ジェニ◇鈴木やすし

それ以前にも、鈴木やすしの「ジェニジェニ」やフランク赤木の「アイキャントストラッピングユー」などもR&Bなのですが、歌い手が真にR&Bを意識していたとは言えなかったのではないでしょうか。そこで本格的にR&Bを意識したのはGSの人達からだそうです。GSの人達に好んで取り上げられた曲は、コマーシャルなモータウンではなく、渋めスタックス系が多かったそうです。理由は比較的単純で、モータウンの音はストリングスアレンジが入っていてバンドでコピーしにくいのに対して、スタックス系の音は4リズム+ブラスホーンなのでやりやすかったというわけです。GS系バンドが次ような曲を好んで演奏していたようです。
wikipedia:スタックス・レコード

  • RUFUS THOMAS - Walking the Dog

  • Sam and Dave-Hold On

  • Percy Sledge - When a Man Loves A Woman

  • sunny - bobby hebb
    このようなヒットナンバーもGSに人気が有ったようです。
  • I Got You (I Feel Good) ジェームス・ブラウン
    GSも2流3流になると半分ディスコバンドであったようなのでJBは基本であったようです。

そして和製R&B作品。近田さんはいわゆるカップスやダイナマイツのヒット曲がR&Bと一般的に言われているのには反対らしく、つぎの3曲がGSの和製R&B代表曲なようです。3曲ともスタックス系のアップテンポの曲をよく研究してつくられています。

  • ダンシングセブンティーン / オックス
    ソウルフィンガーのように童謡風メロディーが間奏に入っています。このやり方は、スタックスのサウンドでよく用いられる手法。ナイアガラにもあるよね。
  • 可愛いいひとよ/クック、ニック&チャッキー
    これR&Bとしては微妙な曲ですが、当時ディスコではうけていたらしい。