人間はウソをつくが数字はウソをつかない(3分間スピーチねた)
最近読んでいる、「ヤバい経済学」という本からの紹介です。ある保育園の経営者が、終わりの時間になっても、引取りに遅刻する親が多いのに困って、単純に次のような対策を考えました。遅刻した親から3ドルほどの罰金を課すという対策です。結果、遅刻する親は減るどころか、かえって増えてしまったそうです。つまり、課金したことによって、「遅刻してしまって申し訳ない」という道徳的インセンティブが、「3ドル払えば面倒見てくれる」という経済的インセンティブへ置き換わってしまったことが問題でした。このような人間の行為はすべて何らかのインセンティブ(奨励や刺激,報奨)によって成り立ち、経済学が得意とする、経済的インセンティブによる分析を、道徳的や社会的に方法論を広めて社会のさまざまな現象の裏を解き明かす的な面白い内容の本でした。
読み物として面白いので、経済学の本という感じはしなかったですが、経済学ってお金の話ばかりじゃないのですね。社会を科学するものだったのですね。あらためて認識しました。
この他にも、相撲の八百長の話や、米国の犯罪率低下の原因の話など、実際のデータを分析した上での面白い結論が述べられています。単純に面白く読めるのですが、そこに、出てきている経済学的手法を詳しく知らないため、読んでる感覚としては「ニセ科学」本と紙一重であるようにも思えました。
上記例のように、単純な人間の直感による判断より、統計的数値の裏づけが重要な場合もあれば、科学的にはまったくのウソが元にされた話でも、結論が普遍的真実を、語っている話*1など、世の中にはさまざまなウソや勘違いがちりばめられていることに注意していきたいと思いました。
経済学の視点で世の中を見直すと
インセンティブは金だけじゃない。