ジョー山中 本格的に日本のロックを教えてくれたひと
ジョー 山中氏(じょー・やまなか、本名山中明=やまなか・あきら=歌手、俳優)7日午前6時56分、肺がんのため神奈川県横須賀市の病院で死去、64歳。横浜市出身。
ジョー山中氏死去(歌手、俳優)
ボクサーを経て芸能界に入り、ロックバンド「フラワー・トラベリン・バンド」などを経てソロ歌手に。俳優としても出演した映画「人間の証明」のテーマソングは大ヒットした。他の代表曲に「ララバイ・オブ・ユー」、出演作に映画「座頭市」、ドラマ「探偵物語」など。(2011/08/07-14:15)
最近、ほんとう訃報が多くて嫌になりますが、自分の年令を考えても、過去に多く影響を与えてくれた方々が鬼籍に入られるのはある程度仕方のないことなのでしょう。先日のマエタケさんこと前田武彦さんが亡くなったときも追悼カテゴリの記事を書くか迷ったのですが、その時は考えた結果書くのを見送りました。自分への影響度から言っても『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』や『夜のヒットスタジオ』など少年期に受けた影響は語り切れないものがあったのですけどね。それに、今回のジョー山中さんとも関係のある原田芳雄さんの訃報もですね。
でも、今回はこの備忘録に残さないわけにはいかないでしょう。10代のロック少年にあまりにも影響を与えた方なので。しかし、彼に対する背景などは、テレビでも扱う芸能記事レベルの事しか知らないのですけどね。
彼は私にとって日本におけるロックを教えてくれた存在です。その後、近田春先生や大瀧詠一師匠などに和モノ系ではどっぷり浸かることに成るのですが、ビートルズで洋楽を聴き始めて、リアルタイムで存在していた日本のバンドの中ではシティーポップス化していたバンドには目もくれずのめり込んだのは、ちょっと後追いになりますが、フラワー・トラベリン・バンドであり、頭脳警察でした。その当時、少ない小遣いのなかでレコードを手にしている日本のバンドは極少なくその一つがフラワー・トラベリン・バンドなのでした。
2010-11-03(水)フラワー・トラベリン・バンド - 「MADE IN JAPAN」
また、彼の代表作である映画「人間の証明」に関しても個人的に思い入れのある映画です。当時、ミステリマニアに友人(自分はどちらかというとSFの方が多く読んでいたのでミステリ系の情報はこの友人から得ていました)とロック系友人の二人の思い出が重なる映画でもあり、その映画の中でジョー山中の存在は忘れられない印象があります。当然、公開時ミステリ系の友人と映画を観にゆき、原作も読みました。当時の私としては映画+原作でオーバーフローするくらいの情報というか感動を得ることが出来、その影響範囲は西条八十にまで及んだくらいですから。(戦後の社会状況、ハーフ、日米関係いろいろと思うことがあり、また親子の思いなど)
さらに、なんといってもこの主題歌でしょう。
- ジョー山中 人間の証明-PROOF OF THE MAN- (ALBUM VERSION)
いわゆる、フラワー・トラベリン・バンドに比べると歌謡曲的ではあるのですが、その声量は素晴らしく。映画公開当時に、ロック系友人ともその凄さを語り合っていたのでした。個人的な思い出としては、そのロック系友人とアマチュアのバンドライブに参加(私は演奏していないのですけどね)し、そこで知り合いのバンドが、この曲をコピーしていました。そこでこの声量に近づけようと奇声(笑)を発し過ぎて、PAを壊してしまったのが思い出深いです。
そして、今にして思うとフジ・ロック・フェスティバル08でフラワー・トラベリン・バンドが復活した時に観ておけばよかったなと後悔しております。
ロックを教えていただき本当に有難うございました。心よりご冥福をお祈り致します。