ナイアガラ的ベンチャーズ論より抜粋
1979年大瀧師匠がニューミュージック・マガジンへ書いた「絶大だったベンチャーズの影響力」という記事から実際に引用されている曲を貼り付け検証してみましょう。
全体のベンチャーズ論までカバーすることは出来ませんが、そんなかで大瀧師匠自身がもっともコンテンポラリーな音楽に関わった「はっぴいえんど」時代、そのお手本ともよべる曲が、ベンチャーズ(エレキ)を卒業したハズの楽曲であったと当時ご自身が思っていたのに、10年後に聞いてみたら、卒業したはずのベンチャーズの影響を受けていたことを再認識してショックをけているといった内容の下りから
- Love Potion No. 9 / The Ventures
65年「ノック・ミー・アウト」の収録曲。原曲はもちろん50年代ザ・サーチャーズの名曲。ベンチャーズではこのアルバムくらいの時期がその後のギター少年に大きく影響を与えているようです。日本のギタリストな方々はベンチャーズを嬉々として演奏する事が多いですよね。
- Bluebird / Buffalo Springfield
はっぴいえんどにとっては欠かすことの出来ないバッファロー・スプリングフィールドの曲。師匠のはこの曲を次のような表現ではっぴいえんどにとって貴重な曲と語っていました「日本語のロックグループ・大團圓にとって<少年探偵団手帳>または<ウルトラマン消しゴム>のように貴重なシンボルともいうべき曲で、ある意味では踏絵的性格すら持っていた。4人はこの曲に心酔し、サウンドに浸水され、ロック海へと進水したのだった。」まさにはっぴいえんどのルーツな曲ですね。
「ラヴ・ポーション・NO.9」と「ブルーバード」の類似点。
?に音が似ていること。?ノーキーの得意技である開放弦の効果的且つワイルドな使用がスティーヴのにも来かる。そして、この開放弦のワイルドな感じは何と、津軽三味線のそれとソックリそのまま瓜二つ、よく似ている。この点に一早く着目し、津軽三味線とのジョイントやエレキで民謡を作品化した寺内タケシはサスガ流石岩石落としである。
?バッファローのセカンドアルバム「アゲイン」の裏には、彼等が影響を受けた人々が書いてあるが、その中にベンチャーズの名前がある。?「ブルバード」のギター・プレイの中に<トンヤレ節>によく似たフレーズがある(偶然にしては似すぎている)。《動画の50秒あたり》
我々は踏絵をし、卒業して、漱石流に言えば<過去を持たぬ成り上がり者のように前へ前へと進んだ>はずであった。明治以降、近代化とは西洋化であり、70年代の日本のロック・ミュージシャンにとっての課題は、もっと英米のサウンドに近づき、早く射程距離内に入ることであった(現在でも、それは変わっていない)《30年後の現在では変わってしまったかも知れません》。そのつもりの中に、?や?の要素があるものを自然に選んでいたことが<頭痛>を<めまい>に和らげてくれたのではないか、と勝手にロビン・フットした。
分母分子論の原型ともいうべき考え方が出てきてますね。そして今も私の中で続く、洋楽と邦楽の関係性の中での音楽の楽しみに直結しているのでした。
- トンヤレ節
一説には日本最古の流行歌であるとされるこの歌が「ブルバード」に出てくる下りは興奮しましたね。