大瀧解説検証シリーズ - 流行歌の第一号は「君恋し」

レコード歌手第一号といえば、二村定一の「私の青空(マイ・ブルー・ヘブン)」ですが、このころの日本人の感覚としてはこの曲はあくまでジャズ(洋楽)の範疇であたようです。いくら日本語で歌っていても、これは日本のものであるという市民権を得ていなかったようです。ある程度自虐的な洋高東低的なワンランク上の音楽的な印象であったらしいです。そこで、外資系であるコロンビアやビクターの当時の社長達は「もっと日本人にアピールするためには日本人が作れ」という指令をだし、そこで出てきたのが翻訳でなく日本人作家(作詞・時雨音羽、作曲・佐々紅華)による「君恋し」です。そしてこの曲が日本に流行歌第一号であるらしいです。この「私の青空(マイ・ブルー・ヘブン)」から「君恋し」への移行が、ポップスから出た人が流行歌へ行くという基本パターンの源流となっていいます。たしかに、この「君恋し」はヒットしその後もフランク永井によりカバーされ文字通り流行歌のスタンダードとなった訳です。

  • 藤山一郎 フランク永井 昭和50年1月5日「ビッグショー」
    先日たまたま見つけて感動した動画。藤山一郎さんはその声質からオリジナルに高音の冴える歌い方に対し、フランク永井さんのクルーナー唱法と正反対の二人のコラボがまた良い。この動画を見たことが今回の記事を書く動機となりました。
  • 君恋し 二村定一
    二村定一さんは素晴らしい。このバージョンが個人的には一番好き。この曲自体本当のオリジナルでないことは最近知りました。高井ルビーさんによる本当のオリジナルは未聴です。高井ルビーさんといえばこれまた大好きな同じく佐々紅華さnの作品「茶目子の一日」の母親役であったとは10年前のマイナツメロブームの時には気が付きおませんでした。
  • 君恋し 佐藤千夜子
    これもジャズ風味満載でよいですね。女性が歌うとまた感じが違いましね。
  • フランク永井 君恋し
    ドドンパ風アレンジ。第3回日本レコード大賞を受賞するまでの大ヒット。このバージョンではカットされている「えんじの紅帯」という表現に関しての説明を昔NHKのラジオ深夜便で放送していた池田憲一さん解説思い出しました。ラジオ深夜便には本当影響を受けたと思います。
  • ジェロJero〜Kimi Koishi君恋し
    もっとも最新のカバーではないでしょうか。フランク永井版ですね
  • Keisuke Kuwata (桑田佳祐) - I Miss You (君恋し)
    フランク永井の存在は大きかったんですね。ジャズる心。
  • ALFRED HAUSE Kimi Koishi アルフレッド・ハウゼ〜君恋し
    ドイツのタンゴにアレンジ。これも、今回の思わぬ拾い物。
  • 伊部晴美 ポリドール・オーケストラ
    ムード・ギター・バージョン