クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?
4年ぶりくらいに読み直しました。実践的なよいこと書いてあるのにちっとも役に立たせることができませんでした。今回も、以前以上に理解できたと思っているのですが、いざ実践に応用となるとハードルが高いですね。以前読んだときは、「ゴール」を読んでいなかったので、今回改めて、例のTOCによる思考法5つのステップの重要性がよくわかりました。でも、やはり、最初の制約を見つけ出すところでの実践方法がいまひとつぴんと来ないですね。まあ、クリティカルチェーンって要は、リソース(人)の競合に気をつけようって事のような気もしますね。キャッチーな表現だと、「マイルストーンを儲けない」とか、「作業を見積にマージンを組み込まない」とかですね。この辺って作業者のインセンティブどのように捕らえるかというところに関係するんですけど、欧米と日本では微妙に異なるように思います。やっぱり、日本人の方がまじめって言うか、そんなにあからさまな、学生症候群とかってあまりないように思います。下手すると、この手法だとひたすら息を抜けない状態で、仕事のできる人ほど過酷に働かされそうな気もしてしまいます。もっと正しくクリティカルチェーンを理解すれば違った考えにたどり着くような気もしますが、理解が足りないようです。そこで、今回は気になったところをメモしておきましょう。
プロジェクト完了までの時間見積の経験談
「プログラマーにスケジュールとおりに作業を完了させる可能性がどの程度あると思うか、訊いてもしょうがありません。90%だとか80%だとか言うプログラマなんているはずもありません。スケジュールどおりに作業を終わらせたことのあるコンピューター・プログラマなんて、いまだかつて目にしたことがありませんからね。でも、経験豊富なプログラマーはたいしたものです。セーフティーをしっかり取ることはわすれません。」
「どうしてだ?」コンピューターのプログラミングについては、あまり知識のない私は純粋に訊ねた。
「簡単なことです。理想とする機能をあれもこれもと全部追加するのにたくさんの時間がいるからです。しかしあんな誰も使わないような機能ばかり追加していたら、いくら時間があっても足りません。とにかく、彼らから目を離してはいけません。でなければ、いつまで経っても終わりません。」
プロジェクトの進捗状況の計測
進捗状況は、すでに完了した作業またはすでに投下済みの投資金額を、これからおこなわなければいけない作業、これから投下しなければいけない残りの投資金額と比較することで計測される。
作業状況報告
「報告?どんな報告だね。どれだけ作業が終わったのか、パーセントかなにかで報告が入るのかな」
「いえ、そうではありません。パーセントには興味ありません。作業が完了して次のステップに仕事を引き渡すまであと何日かかるか、その見積を報告してくるんです。しかし、時々面白いことがあるんです。あるステップの先週の報告なんですが、作業が完了するまであと4日、次の日は3日という報告が入ったと思ったら、その次の日は6日に増えていたんです。トラブルが発生してパニックになっていたんですが、また次の日は1日に減っていました」
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