ゲイリーU.S.ボンズ パーティ・サウンド

ロックン・ロールにおいて、ダンス的要素はかなり重要なわけですが、レーディングというかサウンド面におて、このその雰囲気をだし、フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドのエコーにも影響を与えたというゲイリーU.S.ボンズです。このサウンドは、エコーを多用したワイワイ・ガヤガヤ・モコモコ・ドタバタなパーティー・サウンドと呼ばれるものでした。そのへん、ナイアガラおよびスペクターサウンドフォロワーとして余り知らなかったので、今後のためにも幾つか動画を集めて見ました。
これは、ここ数日のノベルティ系楽しいサウンドとも通じる流れでもあるとかってに解釈。ロックン・ロールの文脈の中での楽しいサウンド作りの原点かもしれませんね。エコー効かせた録音もそうですけど、サックスの位置づけなどもこの頃のサウンド特色ですね。ロックン・ロールのなで聴くサックスにどうも惹かれちゃいます。が、そのサックスをひきたてているのは強調されたベースライン。このパティーサウンドの一番の特徴は、フィル・スペクターにも継承されているところのベースとベースドラムの前面への押し出しです。このベードラ強調とともに、各楽器がごちゃまぜにとなった音に特色があるわけですが、この50年代から60年代へ切り替わる時期はレコーディング技術的にも大きく変化している時期で、流れ的には、各楽器の演奏がわかるクリアなステレオサウンドへ向かっているいるなか、ボンズの音作りはそれを逆行して、音の塊を重視したようですね。彼自身のことばで。「ミュージックの音でなく、音の音なんだ」という言葉があるそうです。この思想は、まさにフィル・スペクターの音壁に繋がっているわけですね。
参考文献『ニュー・ミュージック・マガジン 79年9月号「フィル・スペクターのサウンドづくり(1)」』

  • Gary U.S. Bonds - New Orleans - 1960
    デビューからベードラ強調されてますね。
  • Gary U.S. Bonds - Quarter To Three- 1961

  • Gary U.S. Bonds : Quarter To Three - 1961
    騒がしさ以外なにも残らないという、まさに音の塊でどうだって感じ。
  • 真夜中のロック・パーティー - 清原タケシ
    まさにこのパーティサウンドを日本でカヴァーしたのが清原タケシさん、この方もロカビリーの中ではあまり語られることが少ないようなのでいつか特集したいですね。訳詞:井田誠一(雪村いづみさんの訳詞ものや大好きな「東京シューシャンボーイ」の作詞家、この方も漣健児さんとは違った形で特集されるべきでしょう)。歌詞の世界は原曲に忠実なパティーな世界を歌っているらしいです。選ばれた言葉が当時のトッポイ若者言葉を意識している感じを盛り込んでいそうですね。「チカチカ」とか「火の玉」とか「爆発」などなど。『2011-01-19 和製ツイストが好き(参考資料編 コレクター手引き)』でも清原タケシさんでてきます。
  • Gary U.S. Bonds - School Is Out- 1961

  • Gary "U. S." Bonds - Dear Lady Twist- 1961

  • Gary U.S. Bonds - Twist Twist Senora- 1962
    この当時やはり流行りのツイストものも、パーティーサウンドにぴったり。

Dedication / On the Line (Reis)
アーチスト: Gary Us Bonds
発売元: American Beat
価格: ¥ 1,252
発売日: 2007/01/09
売上ランキング: 201629