SF作家のレイ・ブラッドベリが亡くなりました

グッド・バイ、レイ・ブラッドベリ

作家レイ・ブラッドベリが今日(米国時間6/6)、ロサンゼルスで亡くなった。91歳だった。

まさに巨匠の方が亡くなったという感じですね。直接的あるは間接的の多くお影響を受けたかたです。10代から20代前半のSFファンの頃、前作品読破するほどではありませんでしたが、SFファンであれば、その存在を知っていて当然な方ですよね。私がSFを読んだりした時には既に超有名人であり、米SFの黄金時代を代表する方でした。
ブラッドベリとの最初の出会いは今でも覚えてます。それは中学の国語教科書に載っていた「霧笛」です。そう、そのころ、翻訳SFとかほとんど読んでいなかったので、最初に触れた本場米国のSF小説ということになるでしょう。その後、この作品が映画「原子怪獣現わる」の原作であることを知り、ウルトラマン世代の特撮ファン&SFファンのあたまの中でいろいろな事がつながっていったものです。この映画の特撮はブラッドベリの盟友レイ・ハリーハウゼンが特撮を務めています。彼の特撮映画は小学生の時に各種洋画劇場で観るのが楽しみでした。また、日本の特撮ファンとしては外せないのが、この作品ゴジラの元ネタとなっているということですね。そして原作の「霧笛」ですが、なんともファンタジックな怪獣小説な印象があります。そう、ブラッドベリってそうなのですよね。なんか優しがある感じなのですよ全体に。

  • The Beast from 20,000 Fathoms
    この怪獣の動きがまさにレイ・ハリーハウゼンですね。原作はもっと雰囲気ある感じでですけどね。

続いては、なんといってもトリュフォーの映画「華氏451」でしょね。実はこれは映画のみで原作は読んでいないのです。でも映画の世界観はブラッドベリのものですよね。典型的なデストピアの話で、わわれの世代では未来社会に対する大きな刷り込みともなっているのでした。まさに、現在は、書籍の検閲による焚書とは違った形で紙メディアは無くなりつつありますね。ブラッドベリ氏自身はインターネットや電子書籍にはあまり支持していないようですが、少なくともインターネットのお陰で、検閲はしにくい仕組みになったのかなぁ、などと考えました。じつはこの映画観たときはブラッドベリ原作ということのみで観ていて、監督が有名なトリュフォーであることをあまり意識していませんでした。(ブラッドベリ氏とは関係ないですが、今回のことでウィキペディア改めてみたら、トリュフォーってSF嫌いんですか?「えっ」という感じでした。だってSF映画の金字塔「未知との遭遇」に出演してるじゃないですかね)。

小説の中で印象的ななのは「火星年代記」と「たんぽぽのお酒 」ですね。どちらも、書かれた年代よりだいぶ経ってからなのですが、ブラッドベリの優しさというかしみじみした感じがとても印象的な作品でした。特に「たんぽぽのお酒」はそのたんぽぽで作ったお酒を呑んでみたいと当時から思い続けて未だに呑んだことがないのです。こんで是非呑んでみたいです。
また、今回改めて作品名を眺めてみると、それほど読んでいないはずなのに、印象的な作品がいくつか目につきました、それは、直接読んでいなくても、他の作品やなどに引用されたり、影響を与えている作品が多いですね。

ブラッドベリ氏の作品なら、またこの年齢で読み返しても面白いかなと思いました。
すてきな作品をありがとうございました。心よりご冥福をお祈りします。