ポニーテール(Pony Tail) グリーティング・カード(GREETING CARD)

名盤です、以上。語りだしたらキリがなさそうなくらいなアルバムです。自分的にツボなポイントが盛り沢山です。その割には、彼女たちの存在を忘れてました。CD化されていたのですね。80年代にムーンライダーズからの振り返りでその存在は知っていて、雑誌などのでその評判は知っていたのですが聴いたことが無かったのです。70年代アイドルをいまさらの振り返っていると先日の目黒ひとみさんとほぼ同じ時代の歌手なのがこのポニーテール。70年代当時は、まったく知りませんでした。おそらくセール的にもリアルタイムで知っている人はかなり少ないと思われます。フォークでも歌謡曲でも、もちろんロックでもないポップスはメインストリームでは無かったのですね。おそらく売り方もアイドルとは違っていたのでテレビの露出度も違っていたのでしょうね。私は記憶がないのですが、ぎんざNOWとかには出演していたそうです。その時は、キャロルの女性版的な感じだったそうです。確かにこのアルバム全体にオールディーズが大きなテーマになっています。この辺、80年代なら立派にアイドル歌謡の王道といった所なのでしょうが当時は微妙なようですね。1977年当時は1975年に日本でアメリカン・グラフィティが公開されちょっとしたオールディーズ・ブームでありました。このブームは、田舎にはやや誤解された雰囲気で伝わり、いわゆるヤンキー文化の元となっていたと記憶しています。ぎんざNOWなどでスタジオ銀座テレサに集まったやや不良がかっている子達はファッション的オールディーズ風な影響を受けていました。当時私が住んでいた首都圏および北関東地域では、リーゼント等のいわゆるツッパリファッションの定番となっていったのでした。
そういった当時流行的側面と音楽的に彼女たちをどう売ってゆくかが、前述のアイドルややアンバランスであったのでは目黒ひとみさん(彼女も決して売れたわけではありませんが)などとは異なっていたのかなと妄想。
このアルバムは、そういったオールディーズ全開な部分とユーミンを中心としたシティーポップス系な感じでまとまってます。そんな中でデビュー曲の加藤和彦氏の存在とこのアルバム全体のアレンジ担当のムーンライダーズの存在は大きいですね。トノバンといえば、この時期かなりオールディーズに傾倒していたのではないかと思われます。デビュー曲「チャンスと口紅」は恥ずかしくらいのオールディーズです。その後、トノバンの音楽活動のなかで現れてくるいわゆるスペクターサウンド的なアプローチの初期実験作かも知れません。この数年後岡崎友紀さんの「ドゥ・ユー・リメンバー・ミー」で一つの完結を見ることになります。しかし、彼のこの趣味は実は晩年のVITAMIN-Qまで引き継がれるのでした。ライナーによるとトノバンの女性提供曲でもかなり初期に分類される曲らしいです。その後の量産されたアイドルプロデュースのさきがけですね。阿久悠さんとコンビということもあり80年代の洗練されたアイドルプロデュース作品に比べてちょっと異色です。
続いて、このアルバム全体のサウンドを創り出しているのは初期のムーンライダーズです。彼等が女性ボーカリストをゲストに呼ぶと演奏する曲「マスカット・ココナッツ・バナナ・メロン」のオリジナルレコーディングでコーラス担当が彼女たちだったのですね。初期のムーンライダーズとしてはかなりこのアルバム作成に力が入っていたのが伺えるできですね。椎名和夫さん在籍時代なのでアメリカンテイストが健在。
ウォール・オブ・サウンドというと、大瀧詠一師匠というイメージですが、この辺の世代の人たちは基本的にポップス好きなんですね。ロンバケ以前のこの時期は最低5年このアルバム早かったのでしょうね。
肝心ポニーテールのプロフィールは

wikipedia:ポニーテール (日本の歌手グループ)
当初は、女性4人組(相馬淳子(ボーカル、ギター、キーボード)、小島康子、桜庭由子、杉田久美子(ボーカル、ベース、ピアノ))のフォークグループ「ROW」として1973年の「全国フォーク音楽祭」に出場し、グランプリとなる。
グランプリ入賞を機に、当時の東芝EMI(現在のEMIミュージックジャパン)と契約し、1973年11月にシングル「失われたもの達」を発表。 しかし、当時4人が現役の高校生だったこともあり、いったんは活動を休止する。
1975年、グループ名を「ポニーテール」と改名し、再デビュー。4月には「チャンスと口紅」を発表。その後、相馬と杉田がグループを離れ、相馬は「ラジ」としてソロへ転向する。

脱退したラジや前身のROWに関しては下記のブログ参照してください。
ラジ(RAJIE) 気分を出してもう一度 
ROW 失われたもの達

  1. ミスター・T
    作詞・作曲:小島康子、編曲:鈴木慶一
  2. ひととき(from The inside)
    作詞・作曲:Artie wayne、訳詞:竜真知子、編曲:岡田徹
  3. 遠い想い出
    作詞・作曲:桜庭由子、編曲:岡田徹
  4. 二人は片想い
    作詞・作曲:荒井由実、編曲:鈴木慶一
  5. 私のラヴ・ソング
    作詞・作曲:川口弘吉、編曲:鈴木慶一
  6. ミッドナイト・ハイウェイ
    作詞・作曲:小島康子、編曲:岡田徹
  7. 僕の贈りもの
    作詞・作曲:小田和正、編曲:椎名和夫
  8. ラヴ・ソング(Love Song)
    作詞・作曲:Lesley Duncan、訳詞:円山歩、編曲:椎名和夫
    作曲者レスリー・ダンカンが「この曲はこれまで100種類近くのカバーがあるが、ポニ­ー・テールのものこそ自分の望んでいたものである。」言ったらしいです。(真偽不明)
  9. 南の島
    作詞・作曲:小島康子、編曲:岡田徹
  10. 天使の面影(Fallen Angel)
    作詞・作曲:GUY FLETCHER,訳詞:竜真知子、編曲:椎名和夫
  11. 瞳を閉じて
    作詞・作曲:荒井由実、編曲:岡田徹
  12. チャンスと口紅
    作詞:阿久悠、作詞:加藤和彦、編曲:青木望
  13. ベイビー・ジョー
    訳詩:竜真知子、作曲:S.Fearn、編曲:高橋信之
  14. 坂の上まで
    作詞:藤公之介、作詞:(不詳)、編曲:萩田光雄
  15. I WANNA BE WITH YOU
    作詞・作曲:桜庭由子、編曲:ポニーテール・難波弘之
  16. 二人は片想い(STEREO VERSION)