アロハ・オエ〜ハワイアン・イン・ジャパン<戦前編>〜1928〜1939

先日、図書館へ行ったとき出会いました。戦前だし、ハワイだし興味そそられました。日本のポップス史の初期において、ハワイと上海の影響は大きいといわれています。戦前の日本、レコーディング技術的なものも含めて、灰田勝彦兄弟を代表とする、相次ぐ日系二世たちが来日しました。この辺のハワイ組の影響を知るのには大変良いコンピレーションでした。ハワイ組(ハワイ以外の日系二世も含む)の代表でもある灰田勝彦はモチロンのことそれ以外にも、戦前から有名な歌手、二村定一藤山一郎、平井英子、岸井明、さらにはあのオペラ歌手藤原義江までもがハワイアンを歌っていたとは、やはり、日本におけるポップスとハワイの関係は深いことをあらためて感じさせてくれました。これまで、戦前からハワイアンを代表する歌手及びミュージシャンには灰田勝彦、バッキー白片、ヘレン本田、ベティ稲田、ヘレンん隅田などの方々の活躍は大きいものだったのですね。

参考
チェリー・ミヤノ/ ヘレン隅田  (日系二世:昭和ジャズ歌謡)
ベティ稲田 (日系二世:昭和ジャズ歌謡)
川畑文子 (日系二世:昭和ジャズ歌謡)

そんななかで、今回このアルバムによって知った気になる歌手の方が何人かいます。その一人が「加美可那子」さんです。新宿座ムーラン・ルージュのスター歌手として活躍していたらしいのですが、ネット上ではほとんどまともな情報が手に入っておりません。歌が上手いし、他にどのような曲を歌っているのか気になります。その他「豊島珠江」さんなどはチャキチャキの江戸っ子歌手であるそうなのですが、初めて知りました。
演奏面においても、ハワイからの三人のミュージシャンが中心となっているようです。一人はアーネスト・カアイ、デイヴィッド・ポキパラ、タウ・モエをはじめとるモエ一家がハワイアンの演奏面における影響を日本へ与えたようです。その演奏がこのコンピレーションアルバムで聞くことが出来ました。その他にもまだまだ、このアルバムから各ハワイアンの楽曲および歌手の方々へと興味が広がって行そうです。

1. ハワイの唄(二村定一/昭和3年),
大好きな二村定一のハワイアン、ハワイアンにおいても日系人組みより早くレコーディングしていたらしいです。このひと何をやってもハマりますね、カッコイイ。

2. ウクレレ・ベビー(二村定一/昭和3年),
3. 甘き想い(立石智枝子/昭和5年),
4. ハワイアン・ラブ(女声独唱/昭和5年),
5. 今宵のひととき(アロハ・オエ)(女声独唱/昭和5年)〈アーネスト・カアイ・ハワイアン・トリオ〉,
6. 踊れ踊れ(藤沢五郎/昭和6年),
7. ウクレレの音(羽衣歌子/昭和6年),
8. マオリの月(羽衣歌子/昭和6年)〈アーネスト・カアイ・ハワイアン・クアルテット〉,
9. ハワイへ行こうよ(作間毅/昭和4年)〈ラッカンサン・ジャズ・バンド〉,
10. 美はしの今宵(小林千代子/昭和8年)〈ハイダ・ハワイアン・オーケストラ〉,
11. 想い出のギター(徳山蓀,藤山一郎/昭和8年)〈灰田晴彦とモアナ・グリー・クラブ〉,


12. 憧れの島(昭和11年)〈四家文子〉,
13. アロマ(昭和7年),
14. アロハ・オエ(昭和8年)〈藤原義江〉,
15. ハワイアン・メドレー:アロマ~ハワイの唄~ブルー・ハワイ(昭和12年)〈日本ビクター・リズム・ジョーカーズ〉,
16. アロハ・メドレー:碧きハワイの海~トミ・トミ~リリウ・エ~アレコキ~ハワイ乙女~ホノルル・トムボーイ(ヘレン本田/昭和13年)〈加美加那子〉〈ビクター・ハワイアン・アンサンブル〉,
17. 浜の恋風(マリヒニ・メレ)(昭和12年),
18. リリウ・エ(昭和14年),
19. ブルー・ハワイ(平井英子/昭和13年)〈灰田晴彦とモアナ・グリー・クラブ〉,
20. ホノルル・ムーン(岸井明/昭和13年)〈岸井明〉,
21. 海辺は楽し(昭和14年),
22. 美はしきハナレイ(豊島珠江/昭和13年)〈ビクター・ハワイアン・アンサンブル〉,
23. ハワイの夜(藤原亮子/昭和13年),
24. アロハ・オエ(日本ビクター四重唱団/昭和13年)

このアルバムのライナーはここで読めます

アロハ・オエ〜ハワイアン・イン・ジャパン<戦前編>〜1928〜1939
アーチスト: オムニバス
発売元: ビクターエンタテインメント
発売日: 2000/07/26
売上ランキング: 282969