「誠実さは割に合う」(3分間スピーチねた)

先週参加したセミナーでXPの父とでも言うべきケントベックの講演内容で感じたこと。
セミナー報告でも書きましたが、あらためて、ネット上の報告なども目を通しての感想です。アメリカのエンジニアなので現在のアメリカにおける社会状況の変化などを中心に話がありました。前回の3分間スピーチでの「スモールビジネス」でも紹介したように、どうも、現在アメリカにおいては、ビジネスのスタイルが変わりつつあるようです。アメリカにおけるビジネスのトレンドとして次の事柄を挙げていました。

  • Accountability(説明責任)
    死亡率を発表し始めた病院
  • Responsibility(責任)
    製品に対する責任、ライブドアの件に代表される責任逃れの問題
  • Trustworthiness(信頼性)
    自社の業績など偽らない態度
  • Relationship(対人関係)
    新規顧客よりも、これまでの顧客との関係性の重視

こういった状況のなか、ソフトウェア開発者の周りの社会状況も次のように変化しています。

  • ソフトウェアが特別な時代は終わった
    品質や納期重視などの他の産業分野と同じレベルが求められている。
  • プログラマーは特別な存在ではない
  • 最近のプログラマーはコンピュータを単なる道具レベルと認識している
  • 一人でPCへ向って黙々と開発よりも人間関係を重視している。

こういった状況で、これからの開発者に求められるのは次のような社会的なスキルです。

  • Listening(話を聞く技術)
  • Teamwork and teambuliding(チームワーク)
  • Appreciative attitude(感謝している態度)
  • Emotional intelligence(感情的知性、心の知能指数EQ)
  • Integrity(誠実)

なかでも、まやかしのビジネス中心でなく誠実性が重要であり、長期においては割に合うということは、すべての基本のようで、開発者としてばかりでなく社会人として基本のベストプラクティスであると共感しました。