つべからひとつかみ - 流線形ジャズ/志村道夫

  • 流線形ジャズ/志村道夫
    作詞:藤原山彦、作曲・編曲:服部良一
    D

正確にはニコニコ動画からなので、「ニコからひとつかみ」なわけです。戦前の日本、ここまでアメリカの影響を受けていたのですね。ある意味現在よりカタカナ英語オンパレードですね。当時「流線形(がた)」が世界的に大流行していたようです。自分がこの当時の写真などを見るときのワクワク感は、この流線形に大きく影響されていることは間違いないでしょう。つるんとしたカッコ良さがいいですね。デザインの流行は周期性があることは知られていますが、自分は幼少のころからこの流線型のデザインが大好きでした。車を購入する際も時代は角型ブームであるのに丸型の車を捜し求めたものでした。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/82/6229_Duchess_of_Hamilton_at_the_National_Railway_Museum.jpg/220px-6229_Duchess_of_Hamilton_at_the_National_Railway_Museum.jpg
ロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道のプリンセス・コロネーションクラス蒸気機関車「ダッチェス・オブ・ハミルトン」、この機関車は流線形機関車として1938年に青と銀の塗装で製造され、アメリカ合衆国にわたり3,000マイルにわたる展示走行と1939年のニューヨーク万国博覧会への出品を経て、1942年にイギリスに戻った。

流線形車両

なんとも素敵なデザイン。同時期に蒸気機関からディーゼルエンジン化したこともデザインに影響を与えているのですね、また、大恐慌における製造コスト見直しの観点からも流線形だったのですね。

http://www.toyota.co.jp/Museum/data/images/a03_06_3_1.jpg
「ストリームライン(流線型)」は、自動車をはじめ、建築物、電化製品にいたるまであらゆるものに採り入れられ、急激な発展を遂げる。しかし、その拡大は一方で機能を失うところまで達し、実用性を見直す次のデザインが模索されはじめる。

流線型 - トヨタ博物館

このような背景で当時のニュース映像には流線形の車が多かったのですね、こういったデザイン復刻して欲しいです。そういえば、トースターも流線型でした。
曲のほうも流線形を意識したスピード感が当時しては超モダンだったことが想像できます。全世界的に見ても流行最先端ですよ。「あっというまに」というあたりが流行歌としてもJAZZとしてキャッチーですね。ところで、歌のなかの「スイングカット」ってなんでしょう。歌詞の流れからするとボクシングのことですね。個人的にはボクシングが戦前からポピュラーであったことにちょっと驚きました。歴史は古いのですね。

1854年2月(嘉永7年1月)のマシュー・ペリーの2度目の日本来航を記録した1956年のNarrative of the expedition of an American Squadron to the China Seas and Japan[1](『ペリー日本遠征記』)に、同年2月26日に横浜で行われたペリー艦隊の水兵であるアメリカ人ボクサー1名、レスラー2名と相撲の大関・小柳常吉による3対1の他流試合の様子が記述されている。これが日本におけるボクシングに関する最古の記録となっており、この時、日本に始めてボクシングが紹介された
1931年7月、拳闘ファンが急増した。スター選手の月収は1,000円以上で、帝国・大日本・日本・東洋など拳闘クラブ(ボクシングジム)も10を超え、税務署が財源として目をつけるほどであった

ボクシング-日本における歴史

この時代私たちの親に聞いても幼すぎかつ田舎在住者であるため、当時のモダンさを聞きかじることができていないように思います(戦時中の苦労話はたくさん聞かされましたが)。むしろ、私たちの世代では祖父母の方が意外とモダンな感覚を持っていたかもしれません。わたしの場合、祖父母は母方は両祖父母とも私が生まれる前に亡くなっていましたし、父方の方も話をした記憶のあるのは祖母だけでしたが、記憶の断片にある考え方が、親の世代よりも現代に近い部分があるよう感じられることがあったように思います。


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