大阪万博と渡辺美佐さん

大阪万博というのは、ほんとうに当時の日本の才能の全てが集結していたのですね。飯倉の有名なイタリア料理店「キャンティ」のオーナー川添浩史さんは、富士グループ館の総合プロデュースを委託されたときに富士銀行頭取の植村攻さんに「万博というのは大変な仕事です。あなたか私のどちらかが必ず死ぬでしょう」と言って、その言葉通りに開幕の2ヶ月前に肝臓癌を悪化させて亡くなられたそうです。
そんな、万博でメインステージのショーのポピュラー関係のプロデュースを任されたのが渡辺プロダクション渡辺美佐さんでした。ポピュラー部門に割り当てられた予算は全部で2億円であったらしいのですが、その予算で会期中のプログラムを構成するは不可能とされていました。そこで、電通に相談に行き、各コンサートにスポンサーを付けたそうです。今で言えば当たり前のような冠コンサートですが、この万博のコンサートが本格的な始まりであったそうです。
当初の企画では、オープニング・ショーとして「エド・サリバン・ショー」を招き世界中継する筈だったのですが、CBS側から、「エド・サリバン・ショー」が始まるまでは、開会式の模様を一再放送しないことという無理な条件を付けられたため、断腸の思いで諦めたそうです。もし、この条件を調整出来て実現されていたらすごいことでしたね。
しかし、低予算のなか大物アーティストを招聘して、すべて予算内に収め成功いたしました。以前ライブ盤を取り上げたセルジオ・メンデスをはじめ様々なアーティストの公演が行われました。

  • Sammy Davis Jr - Rhythm Of Life
    万博映像はないので、70年の動画を。
  • Andy Williams and Sammy Davis Jr - Breezin' Along with the Breeze
    このようなジョイントコンサートでは有りませんでしたが、アンディをやってきています。当時第一線で活躍しているアーティストを呼んだのですね。
  • gilbert becaud - on prend toujours un train pour quelque part 1970
    日本ではナタリーのヒットでも有名。
  • Mary Hopkin sings Yesterday at Osaka Expo 1970
    これは万博音源ありましたね。まさに絶頂期に招聘されているのでね。
  • The Fifth Dimension "Aquarius /Let The Sunshine In"
    この前年大ヒットした曲。ライブではもりあがったのでしょうね。
  • Marlene Dietrich sings "Lili Marlene" Live in London, 1963.
    意外と70年当時の動画がないですね、比較的近い60年代のライブ音源で。

こういった、大物アーティストの招聘は渡辺プロダクションとしても得るものが大きかったでしょうね。