マンダム 男の世界

最近レコ部とかUSTの和モノで立て続けにアイク・コール(この方も気になるナット・キング・コールの弟)版の「男の世界」がかかってからの気になりなのが、このマンダムのCMおよびCMソング。オリジナルは1970年に大阪の化粧品会社である丹頂株式会社(このヒットで社名をマンダムへ変更)と日本の音楽出版社およびレコード会社が独自に、企画・制作まで行った異例の洋楽です。当時既にカントリーでは有名(カントリーはこれからの課題分野ですが)であったジェリー・ウォレスや、さらに有名俳優チャールズ・ブロンソンを起用したCM音楽です。なので、最近特集する洋楽に共通の特徴である日本のみのヒット曲でもあります。そして、いつかはこのCMには触れなければいけないと思っていたのですが、ついにですね。
当時、資生堂のMG5とこのマンダムがライバル関係にあったわけですが、資生堂の二枚目系のモデルをつかったCMとは対照的な男臭いブロンソンを利用して注目を集めました。私は小学生なので男性用化粧品とはまったく無縁なお年頃ですが、同じ世代でこのCMを語ったら一言言いたい人は多いのではないでしょうか。どの学校でも必ず行われた会話「お前、顎になんか付いているよ」顎を触った瞬間に「う〜ん、マンダム」と冷やかす。このCMが制作されたのは1970年ですが、私の記憶ではその数年の70年代前半くらいまでは頻繁にこのフレーズが使われていました。また、ブロンソンが出演のアクション映画は60年代制作の映画(大脱走や荒野の七人)を含めて、テレビの洋画劇場の定番映画でもあり家族でよく観ていた記憶があります。その映画のイメージとCMがかなり子供心に印象深いため、同年代にブロンソンにこだわりを持つ方が多いようにも思います。なかでも一番のファンはみうらじゅんさんと田口トモロヲさんでしょう。なにしろブロンソンズを結成して「男の世界」をカヴァーまでしてますからね。
このCMは私の大好きな大林宣彦監督作品であり、撮影現場にて時間が押してしまい、でも大スターであるブロンソンをこれ以上拘束できないといった状況の時に、ブロンソンは自分の腕時計の針を一時間戻して「我々にはまだ時間があるじゃないか」と粋な計らいをみせた逸話は有名な話でした。しかし、数年前にみうらじゅんさんのポッドキャスティングほぼ日刊イトイ新聞 Podcast - じゅんの恩返し 恩返しその16)で、みうらじゅんさんが大林監督に直接この話を聞いたときに、現場の士気を上げるためのつくり話であることを明かされたと話していました。せっかくいい話だったのにね、でもそんな男気を信じさせてくれるキャラなのですよね。
個人的には自分の父親のイメージと被ります。というのも、男気的なブロンソンキャラとはかけ離れた人なのですが、私の父は当時のまともな社会人では比較的少なかったのではないかと思われる、髭を生やしていたのでした。それがブロンソンの髭のイメージとちょっと被るのですよね。70年代のそんなブロンソンの映画をテレビ一緒に観ていたせいもあるのでしょうかね。でも父は決して男臭いタイプな方ではなかったのですけどね、髭と言ってもどちらかというと、大泉滉さんかも(笑)。


  • Mandom-Lovers Of The World/Jerry Wallace

  • マンダム〜男の世界 - ike cole

  • マンダム〜男の世界〜/ザ・ブロンソンズ



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