星を追う子ども

久しぶりにレイトショーで映画を観てきました。ちまたで評判の新海誠監督の新作です。といっても、彼の作品って「ほしのこえ」しかまだ観ていないのですよね。まあ、アニオタ第一世代と公言していても、90年代以降のアニメは網羅的に観れていないわけですが。あのジブリ作品でさえ最近のは観ていない物もあります。そんな70年代80年代野郎な私にとって十分楽しめた作品でした。なにしろ冒頭の「鉱石ラジオ」、これだけで昭和少年は大喜びなわけです。ラジオから聞こえる何処か知らない国にの放送に耳を傾ける少年(映画では少女ですが)、いいじゃないですか。そして、アガルタです、地球空洞説ですよ、私が小学生のころに北極からUFOが地球の内部からやって来るなどと想像していた世界じゃありませんか、そのほか地底世界といえば、ジュブナイルの原点ジュール・ヴェルヌウルトラセブンのノンマルトの使者(正確には海底だが)を思い起こさせてくれますね。そして地底内部の都市はどことなく南米的、これまた、私が小学生のころ夢中になったジュブナイルによくありがちの南米遺跡冒険物なども彷彿。パンフみたら時代設定が70年代ということで納得です。主人公アスナの家のディテールがまさに昭和の家庭なのです。そんなあの時代にこそ成立したSFの世界観、堪能いたしました。
そんな事を考えたとき、そこまで自分の少年時代の感覚に近いとか、冒頭の鉱石ラジオなどに夢中になるのは普通男の子ではとかを考えたときに登場人物が全て男女逆転しても成立する話なのだなと思いました。やはり男子アニオタにとって可愛い女の子の存在はかなり重要なのでありまして、主人公のアスナちゃんをたっぷり観れてよかったのですが、ジブリのあの人なら男女逆転状態で少年から憧れモード全快で地底世界の少女を描いていたかななどと妄想。そういった意味では変態でない宮崎作品という評価も出来るかも。
そう、ジブリ作品や70年代名作アニメにタッチにエヴァとオマージュ探しや深読みが大好きは方々ばかりのアニオタですからそういったエッセンスも楽しみつつな作品でした。いろいろ謎も残ったままなので後日解説オタが出てくる事確実ですね。アスナの父親は実はXXとか、モリサキ先生は何処で戦闘していたとか。
でも最後に非常に残念なことは、息子たちと一緒に観に行けなかったことでしょうか、もう少し小さかった一緒に行ってくれたのになと残念な気持ちです。私が小学生のころに味わったSF的世界とこの作品のテーマでもある生と死、生きるということを同じ作品を見ることにより話したかったですね。

  • 新海誠『星を追う子ども』特報映像

  • 星を追う子ども Trailer


星を追う子ども コンプリート
発売元: メディアファクトリー
価格: ¥ 2,000
発売日: 2011/05/20
売上ランキング: 4837