忙し自慢

どの業界でも、そうかもしれませんが、IT業界では、何かの会合とかであつまったり、同業者で雑談などをするときに、自分はいかに忙しい状態であるか、あるいは、過去にこれだけ忙しい体験をしたなどをみな、嬉々として話します。自分も昔は多少そういうところがありました。マシン室で寝たとか、ヘルプで入ったプロジェクトで、その日から1週間缶詰になってお日様を見る事が出来なかったとか。その手の話はいくらでも出てきました。その分、燃え尽きて、ある日突然、会社に来なくなってしまうような人も多かったです。自分がその渦中にいるときは、一種ランナーズハイのような心境で、忙しければ忙しいほど、脳内麻薬が生成されて、妙な快感でした。その反面、体は疲れるし、プライベートで友人とかに会わなくなるので、だんだん疎遠になって友人減らしました。しばらくして、自分がそんなプロジェクトのリダー的な位置づけになった時、やはり後輩たちが同じような状況に置かれて行きました。自分がリーダー的な立場であるが故に、そんな技術者の特性(つい無理をしてもがんばってしまう)を利用したプロジェクトの進め方に疑問をもち始めました。事実、そのようなプロジェクトは長い目で見ると決してうまく行く事が無い場合はほとんどでした。そのころ、いかに品質を保ちつつ、楽しく仕事ができる方法がないかと考えていた時期に出会ったのが「XP(エクストリーム・プログラミング)」でした。その後、XPを始めとする、アジャイル開発プロセスはある意味業界の主流な考え方になって来ました。でも、下請け、孫請け構造の業界において、その末端まで十分に浸透しているとは言えない状況です。今日もまたどこかでエンジニアが鬱病になっているかと思うととてもやりきれない思いがあります。
現在の常駐先の職場は、いわゆる大企業なので、月の残業時間が45時間以内とか制約されているのでそれほど過酷な状況では無いのですが、大企業ならではの人間関係による問題があるようで、けっこう疲れている方がいっぱいです。以前のエントリでも書きましたが、鬱病になってしばらく休職するような人とかでています。でも、鬱病って本当だれでもかかるような普通の病気なんですね。その方は、今では治療の効果もあって職場復帰されています。やはり、鬱病は再発率も高いですが、しっかり治療をすれば必ず治るものなのですね。そう考えると、先日亡くなった、加藤和彦さんは非常に残念であったと思います。彼死が自殺であると報道されていますが、個人的には病死であると思っています。鬱病をきっちと治療していればあのようなことは無かったのではないかと思っています。